謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆様には平素より当組合の活動に対し、多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年のわが国の経済状況は、食料や各種資材、人件費などあらゆるモノの価格が上昇するなか、米国の関税政策による影響も加わり、困惑・混乱の一年でありました。また、大きな社会問題にもなったコメの価格高騰は、「食」以外の消費を抑制し、当業界においては家庭用カーペットの生産・販売状況に影を落としていると見られます。
一方で、経済成長を重視する高市政権の誕生や、日経平均株価が史上初めて5万円を突破するなど明るい話題も多くありました。訪日外国人旅行者の順調な増加も経済拡大に寄与しており、これに伴うホテルなど宿泊施設の新築・改装での各種カーペットの採用は堅調に推移した模様です。
当組合は国内唯一のカーペット生産者団体であり、昨年、設立30周年を迎えました。もとを辿れば明治時代、1895年設立の大阪府緞通同業組合を淵源としています。その百年後の1995年、日本特殊毛織物等工業組合と日本カーペット協会が合併し、現在の組合が誕生しました。
そして長年にわたり、"カーペットはすばらしい”を合言葉にして需要振興に努めて参りました。近年は、歴史ある団体として生活者の皆様のお役に立てるような活動も模索しているところです。具体的には、大阪府や兵庫県と防災協定を締結し、災害時にタイルカーペット等を避難所に提供する仕組みを整えるなどしています。
また、重点活動目標のダニ問題(カーペットとダニアレルギー症状を関連づける誤った見方)是正への取り組みについては、地道に対策を講じ、問題解消を目指して着実に歩を進めていく所存です。
パイルヤーンなどカーペット原材料のサプライチェーン(SC)も含めた生産基盤の維持・整備も重要な取り組み事項です。メイド・イン・ジャパンのモノづくりをこれからも長く続けていくためには欠かせません。染色や紡績などの中小・零細加工企業を取り巻く事業環境には、とくに配慮する必要があるでしょう。
このSC問題をはじめ、原材料コストの高止まりや人材確保難など様々な課題に直面していますが、今後については決して悲観的にはなっておりません。前向きな材料はたくさんあります。
次世代を担う若手が力をつけはじめ、業界パワーは確実にアップしています。また、環境・デザイン性や生産性の向上という視点からの設備投資話も各社から聞こえてきます。
昨年開かれた大阪・関西万博の会場では、組合員各社が生産したタイルカーペット、人工芝、ダストコントロールマットなどが多く採用(提供)され、国産カーペットの存在感を示すことができました。カーペットのすばらしさを未来につなぎ、産業の持続的発展を図って参ります。
最後になりましたが、組合員の皆様、そして関係業界の皆様方には、本年もより一層のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
日本カーペット工業組合 理事長 永田鉄平