ジャパンテックスで強烈な一撃くらう
2016年10月に開かれたインテリア見本市「ジャパンテックス」でのこと。
筆者はカーペットの良さを多くの人に伝えようと、日本カーペット工業組合ブースの担当員として東京に意気揚々と乗り込んだ。
しかし、現実は厳しい。カーペットに興味のある人はブースに足を踏み入れるが、そうでない人は見向きもしない。
初日の開場直後、ブース前を通りかかった70歳ぐらいの一般来場者(男性)に「カーペットの防音性を体感できる体験コーナーにどうぞ~」と声をかけた。するとその男性、ちらっとこちらを見て「知ったこっちゃねぇーよ」と吐き捨てた。
「え???」。歩き去る背中に「ありがとうございまーす」と何とか返したが、しばらく心の乱れがおさまらなかった。カーペットに何か恨みがあるのだろう。
カーペットの良さ若者に伝えよう
厳しさを感じるとともに、これからの課題や希望も見えた。
例年、最終日はインテリア学科の高校生を中心に若い世代の来場者が多くなる。今回も同様の傾向で、組合ブース・体験コーナーにも若者が物珍しそうに来場していた。
そこで嬉しいのは、男女問わず、若者たちの反応が極めて初々しく、素直であることだ。フローリングを歩いた時に出る大音量に「え、すごい、ヤダ、ほんとに、キャアー」と驚く様子は見ていて楽しいぐらいだ。
カーペットの防音性に関する説明パネルを見て「これ、メモしてもいいですか?」、「もっと詳しい資料はないですか?」と、キラキラした目でこちらに問いかけ、「絶対、部屋にカーペット敷きます!」と言ってブースを後にする姿をみると、若いカーペットファンを育てることの重要性を改めて痛感する。業界が持続的に発展していくためには必要なことだ。
若い世代に向けてカーペットの良さをPRするとともに、彼らが失望しないモノづくりに取り組んでいかねばならない。(もしかすると、「知ったこっちゃねぇーよ」と悪態ついた男性は若かりし頃、カーペットに失望した経験があったのかも)
※日本カーペット工業組合会報「JCMニュース」(2016年11月号)掲載のコラムをリライト