カーペットの多彩な魅力
一意専心に幅広く訴える
日本カーペット工業組合 理事長 吉川一三
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆様には平素より当日本カーペット工業組合の活動に対し、多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年のカーペット業界は、業務用ではオフィスやホテル向けを中心に堅調に推移しましたが、家庭用は長引く個人消費の低迷の影響を受けて伸び悩みました。
当組合や経済産業省の生産統計によると、2016年の全体的な生産量(タフテッドカーペット、織じゅうたん)は、前年よりも少し上回る程度となりそうです。
さて、当組合では「カーペットはすばらしい」を合言葉に、カーペットの需要振興に向けて各種事業を展開しております。とくに近年はカーペットがもつ様々な魅力(ハウスダスト舞い上がり抑制効果、リラックス効果等)を大学や研究機関と多面的に共同研究し、着実に成果を積み重ねております。
そうした成果を業界内外に効果的に発信することを目指し、昨年は新たに「広報委員会」を設けました。ニュースリリースの発信、マスコミを含めた業界外との積極的な交流に取り組んだ結果、一般紙でカーペットの効用に関する記事が掲載されるなど、初年度でありながらかなりの手ごたえを得ました。
今年はこの手ごたえを、さらに確実なものにしてまいります。そのためには百年の大計を描くぐらいの気概をもって、長期的な視点で戦略を練り上げていかねばなりません。より多くの組合員が広報委員会活動に関わるような組織へと人的・質的強化を図り、一意専心にカーペットの良さをPRしていきたいと存じます。
カーペットがこれからも長く愛用されるためには、若い「カーペットファン」を増やしていくことがとりわけ重要です。若年層、ヤングファミリー層の心をくすぐる新たなキャッチフレーズを募集して掲げるのも一案でしょう。
私ども日本カーペット工業組合は、国内唯一のカーペット生産者団体です。外部に向けた情報発信に力を入れる一方で、我々カーペット業界の足元を固めることにも取り組まねばなりません。
メイド・イン・ジャパンの生産体制において、糸づくり、染色、タフティング・製織、仕上げなどの工程で一つでも不安定な部分があれば、全体に大きく影響します。
とくに中小加工業を取り巻く事業環境には気を配らねばならないでしょう。多くの関係者が持続的、安定的に事業を展開できる妙案を探っていく所存です。
他にも技術の継承、人材育成、運送問題といった難しい課題を抱えていますが、組合の存在意義を今一度かみしめ、正会員32社、賛助会員63社が一丸となり、今後も業界の健全な発展を目指してまいります。
今年は酉年です。積極的な広報活動をすることで各媒体にカーペットがトリ上げられ、他の床材からカーペットにトリ替える人が続出するような年となってほしいものです。
組合員、賛助会員の皆様、そして関係業界の皆様方には当組合の運営に対し、本年もより一層のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
2017年1月1日