謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
皆様には平素より当組合の活動に対し、多大なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年の当業界を取り巻く事業環境は、カーペット原材料価格や電気・ガス代が高止まりするなか、人件費や運送費なども上昇し、依然として厳しい状況にあると言えます。
さらに、業務用・家庭用ともに需要は今ひとつ盛り上がらず、販売価格の改定による一定の効果は出ているものの、業界全体として生産量自体はコロナ前の水準には戻っていないのが実情です。
昨年、当組合は「カーペットはすばらしい」の合言葉のもと、様々な活動を展開いたしました。なかでも目立った活動成果としては、カーペットが悪者に仕立て上げられる「ダニ問題」の解消に向けて大きく前進したことがあげられます。日本小児アレルギー学会発行の喘息治療ガイドラインにある「(環境整備のため)じゅうたん、カーペットは敷かない」という文言が、最新版では削除されたのです。
この文言は、マスコミがカーペットとダニアレルギー症状を関連づけて報じる際の根拠となり、カーペットの特性が正しく伝わらないため、当組合は同学会に対して削除するよう求めていました。
これからは、この削除された事実の拡散と、「ハウスダスト舞い上がり抑制効果」を持つカーペットの安心・安全性をPRすることに一層注力したいと存じます。
当組合は、国内唯一のカーペット生産者団体です。需要振興を図るのと同様に重要なのが、パイルヤーンなどカーペット原材料のサプライチェーンも含めた生産基盤の維持・整備です。染色や紡績など中小・零細加工企業を取り巻く事業環境には、とくに配慮する必要があるでしょう。
実際、ここ数年の間、コロナ禍時の生産減により、いくつかの関連加工企業は業界からの撤退を余儀なくされました。一方、現在懸命に事業に取り組んでおられる企業は、人材確保難やコスト高をはじめ、様々な課題に直面しており、カーペットの生産現場はまさに正念場を迎えています。正会員・賛助会員がより一丸となって知恵を出し合い、対処していかねばなりません。
昨秋のジャパンテックスにおいて芸人・タレントの友近さんを初代カーペット大使に任命いたしました。発信力抜群の友近さんの力もお借りしながら需要振興を図り、生産基盤の安定化にもつなげていきたいと存じます。
最後になりましたが、組合員の皆様、そして関係業界の皆様方には、本年もより一層のご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
2024年1月1日