三重大学大学院医学系研究科(法貴葉子助教ほか)および生物資源学研究科(佐藤邦夫教授)はこのほど、「室内床材種の違いが人に与える影響」をテーマに実験検証に取り組み、カーペットはフローリングに比べ「リラックス度が高い」――「カーペットは人にリラックスを与える」という結果をまとめました。
この研究については、海外医学系雑誌「Iranian Journal of Public Health」に論文掲載が受理(2015年9月16日付)され、また日本神経科学学会でも今年7月に発表されました。
◆カーペット歩行時 α波含有率多く◆
三重大学大学院医学系研究科がおこなった今回の実験検証は、室内で使われる代表的な床材、カーペットとフローリングを用い、被験者(男女42人)が各床材を10分間歩行した時のリラックス度を脳波計と皮膚インピーダンス計で客観的に測定し、それらを解析・比較検討しました。
脳波計を使い、リラックスした状態で多く発生するα波の含有率を測定すると、42人中32人がフローリングよりもカーペット上を歩いた時の方が、α波の含有率が多いという結果になりました。一方、緊張した状態で多く発生するβ波の含有率を測定すると、カーペット上を歩いた直後の方が含有率が多かったのは、42人中14人でした。
皮膚インピーダンス値(手のひらの発汗量)については、42人中32人がカーペットを歩くときの方が値は大きい、すなわち手のひらの汗量が少なく、リラックスしている状態という結果となりました。いずれの実験も、有意差検定では有意に“カーペットは人にリラックスを与える”というものでした。
さらに心理テスト(SD法)もおこない、カーペットはフローリングに比べて「穏やかな」、「疲れを感じない」、「落ち着いた」などと感じる人が多く、心理的な面においてもカーペットのリラックス効果が示されました。
日本カーペット工業組合は現在、カーペットの様々な魅力― ハウスダスト舞い上がり抑制効果、省エネ効果、集中力向上効果など― について調査・研究に取り組み、カーペットの安全・快適性について幅広く訴えています。
三重大学大学院医学系研究科とこのほど取り組んだ研究については、当組合は重要なテーマとして議論を重ねており、今回の研究結果を活用し、今後もカーペットの魅力を追求していきます。
インテリア展示会で“リラックス効果”を発表 体感ゾーンも設置
当組合は11月18~20日に開かれるインテリア展示会「第34回ジャパンテックス2015」(会場:東京ビッグサイト)に出展します。
上記研究結果についても紹介するほか、「リラックス効果」を体感できるゾーンも設けます。
2015年11月9日
この内容については、共同通信PRワイヤーを通じてニュースリリースを配信しています。
なお、海外医学系雑誌「Iranian Journal of Public Health」には2016年6月に論文が掲載されました。